保育園

ＲＣ造２階建

札幌市厚別区

560.16 �u

敷地は、厚別中央通りに面し交番・消防団分所・福祉会館・小学校に接すると言う点では申し分ないのだが、何せ狭い。
保育所設置基準で、定員に応じた広さの屋外遊戯場確保が求められているから工夫が必要だった。

総２階建のようにして屋外空間の広さを求める方法もあるが、保育室を２階にもっていくと何かと厄介な規定がくっついて建物面積は増大してしまうし、 使いやすくなりそうもない。
職員関係のみ２階に上げて、やはり保育空間は１階に展開することにした。

　
屋外遊戯場は屋上と繋げたスロープにして、遊具などは一切設けず夏冬とも転げまわって遊ぶ場所、とした。
そして、屋外遊技場を２つの中庭にも分散した。一つは「水の中庭」と名付け、 もっぱら水遊び・日光浴の空間である。
もう一つは砂を敷き詰めた「砂の中庭」である。
こうすると野良猫・野良犬のトイレにされぬよう毎日ブルーシートで覆う作業も無くなり美しく衛生的に保たれる。


２つの中庭はもちろん光庭の役割を持つ。
日中の照明をゼロにすることと、多様な光が入る保育空間にしたい。


薪ストーブを据えたのも多様な空間造りの仕掛けであり、ちょっとは省エネにもなる。
そして火のある暮らしの楽しさを得られることは北海道の子供たちならではの特権であろう。
ストーブが年中行事プログラムにどのように取り込まれるか、楽しみである。