蘭越アグ・デ・パンケ農園の住宅
Rankoshi house
No.J22
住  宅
2003年
磯谷郡蘭越町
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工事写真
建築種別

住宅

構造/規模

RC造/1F

所在地

磯谷郡蘭越町上里

延床面積

住宅(117.9m2)作業場(93.6m2)

コメント

 蘭越はスキーで有名なニセコの隣町。神戸から移住してきた夫婦の農家住宅である。
斜面に埋め込んだ奥行き5m、間口21mのこの住宅は、取り巻く環境との応答から生まれた。
北側は厚いコンクリートの壁を土に埋め込んで厳しい季節風をきっちりやり過ごす。対して、南側は全面ガラス窓で羊蹄山を臨む雄大な風景のなかに解き放つ。

外断熱、コンクリートの蓄熱、安定した地熱利用、土載せ屋根、3重ガラス木製窓、屋根を掛けたベランダ・・・・この建築のいささか特異な姿はそれぞれが環境制御装置としての機能・性能を根拠に、住居であると同時に作業場である農家住宅の特性に答える為の組み合わせである。
冬の寒さへの対応はひとまず良い。問題は暑さへの対応である。暑い夏の野外作業を終えて、迎えてほしい住空間はひんやり爽やかな空気で満たされていて欲しい。土に埋めることも、土載せ屋根も夏への備えである。住居内のみならず、ベランダの屋根の下も鉄板一枚ではない爽やかさを確認したいと思っている。両妻面の小さな高窓は室内の暖気を吐き出す換気装置である。

北側には、半径3mのコルゲートパイプで作業場も作る。これも土で覆って、涼しい選荷・集荷作業場を作る。
農繁期が終わったら野菜の越冬貯蔵場としての利用を試みる。

備考
アグ・デ・パンケ農園ホームページ
2004年(第11回)JIA北海道支部住宅部会が選ぶ住宅賞 「ハルニレ賞(大賞)」 受賞
2005年SB05Tokyo記念サステナブル建築・住宅賞住宅部門 「住宅金融公庫総裁賞」 受賞
2006年(第7回)JIA環境建築賞 住宅部門 最優秀賞 受賞